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歴史コラム

【宮地嶽神社への神々の道 Vol.2】宮地嶽神社の参道について

このコーナーは、宮地嶽神社のいち参拝者でもあり、歴史研究家でもある、古根和彦さんが連載するコラムを紹介してまいります。

アイドル・グループ「嵐」によるJAL日本航空のコマーシャルによって一躍脚光を浴びた宮地嶽神社の参道ですが、一般的にはこの画像の様に正面に浮かぶ相島の積石塚古墳120号墳辺りに向けて、さながらレーザー・ビームの如く照射する西への投影とその映像が強調されているようです。
では、逆に、この島から照射されたビームは宮地嶽神社のどこに向けられ中っていると思われますか?
それは、参道を登り切った正面に鎮座する古宮なのです。
これこそが宮地嶽神社の故地であり、黄金屋根の大伽藍とは異なり、本来の宮地嶽神社の社殿とはこの一角に納まる程度の質素なものであったことがある程度推測できるのです。

現在の参道は、この古宮の正面から左に45度程度折れ、宮地嶽の山上方向に向かいます。
 今の本殿がどの方向に向かって建てられているのかについては気になるのですが、それは将来の課題に残すとしても、このような参道を曲げて造ることについては、皆さんはどのようにお考えになるでしょうか?
 必ずしも一般化はできないのですが、「参道は神殿から真っ直ぐ延びているべきであり、決して神様の目を遮ってはならないし、神殿からも下界が見渡せるように周辺を整備する(樹木を伐採する)べきである。」と言った見解も聴きますし、「下々から神殿が直視できないように参道も多少は折れ捻じれの方向に造られるべきである。」という見解も存在しているようです。
 実際の造りにおいても、どちらの場合も見かけますが、どうも後付の議論や解釈のようでもあります。

 ここでは、現在の宮地嶽神社が後者のタイプの社殿様式を持っていると言う事、そして、いつの時点かは分からないのですが(昭和八年の改修か?)、前者から後者に転換されたのではないかと考える余地を残しておきたいのです。
それは、単に海人族、海神族の性格を持った神社から、巨大玄室を持つ円形古墳(丸塚)を背後に背負う地上戦に勝利した騎馬集団の大王を頂く神社としての宮地嶽神社の側面です。